2011.07.16-17 at Enoshima
宮城県成年男子470級の国体予選を兼ねる大会
95艇のスピネーカーが一斉に咲いた7月16日、17日の2日間、2011年第3回関東470協会フリートレースが梅雨明け後の強烈な日差しの中、東日本大震災後、セーリング活動が困難になった宮城県の成年男子470級国体予選も兼ねて行われました。宮城県国体選考レースには、東北大学2艇、東北大学医学部3艇、宮城教育大学1艇が参加し、国体選考とは別に東北大学から男女ミックス1艇、東北学院大学から女子チーム1艇、男女ミックス1艇と、東北水域から合計9艇が参加しました。、宮城県セーリング連盟理事の台風の影響で大きなうねりが発生した相澤孝司氏(東北セーリング連盟副会長・日本470協会東北水域理事)が国体予選運営と選手のサポートで駆け付けてくれました。北陸からは、近年 、国立大学旋風を巻き起こし、セレクション制度がないのに着実にレベルアップしている金沢大学が初参戦。また、近畿からは昨年に引き続き同志社大学が遠征して来ました。その結果、95艇のエントリーとなり、青空を背景に色とりどりのスピンが展開され華やかな海面になりました。
近年、全日本インカレで活躍が目立つ金沢大学今回も70艇以上の大フリートになったため、ディビジョン分けをし、レースをおこないました。ディビジョン分けの考え方は、上位約1/4 のチーム(1日目は第2回フリートレース上位チームと関東470協会の推薦チーム、2日目は1日目の成績上位チーム)を1つとするディビジョン[赤]と、その他のチームを3つ(1日目は赤以外を均等に、2日目は1日目の成績順)に振り分けたディビジョン[青・黄・緑]としました。また、宮城県国体選考選手は2日間同じディビジョンになるようにしました。さまざまなレベルの選手がより良い練習レースが出来る様なレース形式にしております。最終成績はある意味不平等になりますが、フリートレースは練習レースと位置付けているので、このような形式を採りました。
村濱/小林が優勝
優勝した村濱沙耶/小林遼平(グローバルコム/明治大学) 初日は終始、風軸180度の安定した3m~4mの南風、波も穏やかで誰もが走りやすいコンディションです。そのため、マーク回航時は大混戦になり、下マーク回航時には、下マークから離れた位置にいる本部船までルームを要求する叫び声が聞こえてきます。トップ艇が30分程度でフィニッシュするコース設定で6レースおこなわれました。
2日目は台風の影響が心配されましたが、初日同様の南風の軽、中風コンディション。スタートラインに並んでいると追い潮2位の植木剛史/高橋渉太(日本大学)の影響で、ラインの前へ押されていき、ゼネラルリコールを何度か繰り返す場面もありましたが6レースがおこなわれ、2日間合計で12レースがおこなわれました。
宮城県から遠征してきている選手たちは 現状、地元では活動を再開できる場所を確保できていません。その為、東北大学は関東470協会フリートレースや関東470選手権予選レースなどを利用して実戦練習をしています。艇は江の島で活動している大学よりチャーター、セールはナショナルチームのチーム・アビームやベネッセより3位の川添正浩/板倉広佳(チームSSJ)支援されたものを使用しています。東北大学医学部、宮城教育大学などは今回のフリートレースが久々の乗艇となりました。東北学院大学はスリーボンドチームより東北水域に寄付された車を借り、大久保監督が運転し、日本経済大学より支援された470級2艇を運んでの参加でした。小林/三浦(東北学院大学女子チーム)は震災後ほとんど練習をしていない状況にも関わらずシングルを4本取る健闘ぶりをみせました。
優勝したのはスタートの位置取りのうまさと、軽、順風でボートスピードがあり5レー宮城から遠征してきた東北学院大学ストップを取った村濱/小林(Global Com Service Co, Ltd. /明治大学)の明治大学OG、現役コンビです。2位は植木/高橋(日本大学)で、12レースを崩れることなくコンスタントに走り安定感がありました。日本大学は今年度フリートレース初参戦で、5艇参加し、2、4、9、12位、1艇は初日に艇のトラブルでリタイヤしており上位には入っていませんが2日目はしっかりシングルを走っています。総合力で戦うインカレでの活躍が期待できそうです。川添/板倉(TeemSSJ)は1度もトップを取ることはありませんでしたが、1つのBFD以外はすべてシングルにまとめ、3位になりました。
昨年までは年3回のフリートレースでしたが、今年は8月27日、28日に4回目をおこないます。選手のみなさんに満足してもらえるような魅力あるレース運営を関東470協会スタッフ一同心がけていますので沢山の参加をお待ちしております。
レポート/伊藤譲一(関東470協会)