2012.07.7-8 at Nishinomiya
兵庫県セーリング連盟第2回ポイントレース(第3戦)レポート
今回も前日の雨があがったものの、不安定な天候のなかでのレースとなりました。
第1回目のポイントレースと異なる顔ぶれで17艇のエントリーとなりました。
今回の大会は兵庫県民体育大会兼国体予選を兼ねた大会であり、470級のエントリー数は4艇、昨年の全日本学生ヨット選手権国際470級優勝の関西学院大学から笠井・俣江組、西尾・溝上組に加え、昨年の国体少年男子SS級入賞の神木選手をヘルムスとする神木・伊川組の3チームがエントリー、社会人はバルセロナオリンピック代表コンビの大津・広部組(NTT西日本-関西、NTTドコモ)が15年ぶりにペアを組んでの出場となった。
広部選手は長期間、東京勤務の後、関西勤務となり、単身赴任が解消され自宅から通勤している。
ヘルムスの大津選手が熱いエールを送り1年間のリハビリの後、バルセロナオリンピックから20年の節目でのレースへの復帰となったものの、2名の練習は合計で5日程度と体力がどこまで続くのかレース委員会も心配していた。
ポイントレースには2回連続出場、前回ポイントレース優勝の西村・大嶋組(岐阜県ヨット連盟)が参加し、関西学院大学チームを交えた上位争いが楽しめる大会となった。
それ以外は、甲南大学、近畿大学、神戸大学が参加してのレースとなった。
また、初日の運営は、役員の急きょ欠席、補助員としてお手伝いいただく大学生も台風の影響で授業が開催されることになったため、10名、プロテストボートを含み、3艇での運営となった。
初日、第1レースは、予告信号後の風のシフトがあり、打ちかえののち、1回のゼネラルリコールを経て、10時50分に220度、4メートルの風のなかオールクリアでスタートした。
国体予選参加艇、岐阜県の西村組がけん制しつつ、右海面で展開していくなか、1マークをトップで回航したのは、松下・疋田・服部組(関学大)、続いて庄野・中川組(関学大)、奥村・三箇組(近畿大)と続いた。右海面で展開していた有力チームのうち、最初に1マークを通過したのは、7位回航の大津・広部組、そして西村・大嶋組は最終の回航となった。優勝の大津組
風軸が定まらず、左右に振れがあり、2回目の上マークは220度から260度に変更、運営艇が少ないため、プロテストボートが1名の乗員で、マーク変更した。風のシフトが大きいなか、有力チームは確実に順位を上げていった。(余談:この後のスナイプのマーク変更も含め一人で3つのマークを変更させたプロテスト委員長は、こんな人使いの荒いレース委員長は見たことがない。とのこと)
トップフィニッシュは1マークからリードした松下・疋田・服部組、2位はこちらもヘルムス5回目の奥村・三箇組(近畿大)、3位が大津・広部組、4位が笠井・俣江組、西村・大嶋組は7位に浮上した。
その後、風が弱くなり風待ち、西が止まり、北風になったりしながら340度と西宮ではほとんどない風向でのコース設定となり、15時04分にスタートした。
レースは風下からスタートして左に伸ばした西村・大嶋組と風上からスタートして右寄りのコースの大津・広部組が1マーク手前でミートした、西村組はコースサイドへ、大津組はコースの中心へと艇を伸ばした。
不安定な風のなか、結果は、コースサイドに伸ばしすぎた西村組が遅れをとり、大津組がトップ回航、その後も2艇がからみながら、1・2フィニッシュ、3位は笠井組、4位に西尾組とつづいた。
第3レースも同じ角度での設定となり、北からのブロー性の風が入るなかで15時30分に4メートルの風でスタートした。
1マークは、西尾組、松下組、大津組、笠井組、西村組、神木組と続いて回航、関西学院大学VS社会人という形になった。
2回目のクローズホールドで風下側の大津艇の風上を帆走していた笠井艇は、大津艇が前に伸びていくのを避けてタックをした。その後、風上からからブローが入り2回目の上マークは笠井組が大津組に大きく差をつけて回航した。準優勝の西村組
このレースはこれで終わらず、ランニングのコースで大津艇が笠井艇との差を徐々につめて、最終マークからフィニッシュに向けた最終のリーチングのコースで大津艇がブローに乗って猛追したが、両艇の差が2艇身の差で笠井組がトップフィニッシュした。
3位には、西村組、4位に奥村組、5位に西尾組、6位吉泉・上田組(甲南大)が入った。
3レースを終了した時点で17時前になったため、初日のレースは3レースで打ち切りとした。
3レース終了時点での順位は、1位大津組6点、2位笠井組8点、3位西村組12点、4位奥村組12点、5位西尾組14点、6位松下組15点となった。
兵庫県の国体選手選考会は3レースを消化したため、大会は成立上位艇が2点差で明日を迎えることとなった。
広部選手談:明日、体が動くか心配。
7月8日大会最終日は、運営役員も揃い、運営艇を1艇増やしての通常での運営体制で臨むことができたと思ったが、定刻の10時00分、270度でスタートラインを設定するものの、スタート直前に風が40度シフトし、240度にマーク変更ののち、10時10分予告信号、ゼネラルリコールの後、10時25分にオールクリアでスタートした。
このレースも風のシフトが激しく、上位艇の順位が入れ替わるなか、松下組が2回目のトップフィニッシュ、西尾組が2位、3位に西村組、4位笠井組、5位大津組と上位2艇の得点差は1点に縮まった。3位の松下組
そして、第5レース、風が弱まるなか、215度2mの風で12時12分にスタート、スタート直前に風が右にシフトし、コースはポートロングになった。
ほとんどの艇がポートに返すなか、下1番が出た笠井組がそのままスターボードタックで伸ばしていく。そして、風が止まり、万事休す。最終での1マーク回航となった。
1マークのタイムリミット間近での回航となり、3マークでコースを短縮した。
1位西村組、2位大津組、3位西尾組、4位吉泉組、5位松下組、6位奥村組となり、笠井組は16位でフィニッシュ、このレースで5レースが成立し1カットとなるものの、大津組と笠井組との点差は4点、大津組と西村組との差は1点となった。
第6レースは、ゼネラルリコールの後、マーク設定を変更して、14時46分3.5mの風でスタート西村組、大津組、西尾組、神木組の順に1マークを回航した。
フィニッシュは神木組、松下組、大津組、西村組、西尾組、上村・濱口組(近畿大)の順にフィニッシュした。
本大会ではおじさんパワーが若者を圧倒しており、15年ぶりのコンビで5回しか練習していない広部選手の活躍には驚かされました。
ラフィング時において、ジブセールの引き込みに手が回っていないとか、タイトリーチでは真っ先にスピネーカーをダウンするという、まだまだ練習が必要なところは見えましたが、15年間470に乗りっていないクルーと乗っても、上位は走れます。
学生さんには、艇が走しらないのはクルーの責任ではないということを、身を以て教えてくれたと思います。
今大会での大津艇と他の艇の差はセオリー通りのレースを行うことができているかの差であったと思います。その差が、少しずつ順位に影響を及ぼし、結果として他艇が大きく順位を落とすレース展開を行うことに繋がっていると思います。
大津・広部組は、手堅く、確実なセーリングでミスを起こさないレース展開を行うチームであったことを思い出しました。
バルセロナオリンピックから20周年の年、2012年岐阜国体での活躍を祈念します。
最終シリーズは、8月4日、5日の関西選手権です。
大津・広部組の復活に影響を受けたベテランの皆様を含め、全国から多くの参加をお願いします。
最終成績
1位 大津・広部組(NTT西日本‐関西・NTTドコモ) 11点
2位 西村・大嶋組(岐阜県ヨット連盟) 13点
3位 松下・疋田・服部組(関西学院大学) 14点
4位 笠井・俣江組(関西学院大学) 19点
5位 西尾・溝上組(関西学院大学) 19点
6位 神木・伊川組(関西学院大学) 31点
7位 奥村・三箇組(近畿大学) 31点
8位 吉泉・上田組(甲南大学) 42点