2010.11.20-23 at Nishinomiya
初の全日本タイトルを手にした市野直毅/吉見亮平(セラヴィ・セーリングチーム)
昨年の全日本の男女チャンピオンである原田龍之介/吉田雄悟(アビームコンサルティング所属)と近藤愛/田畑和歌子(アビームコンサルティング所属)の2チームが、同時期に開催されたアジア大会(中国/広州)に出場したため、ディフェンディング・チャンピオンを欠くかたちとなった第39回全日本470級選手権大会。
大会会場は新西宮ヨットハーバー(兵庫県西宮市)。西宮で全日本470が行われるのは1977年の第6回大会以来33年ぶり2度目の開催となる。福岡で行われた前回大会では、オリンピックや世界選手権などで採用されているメダルレース(上位10艇で競われる最終レース)が採用されたが、今大会は日程上の都合からメダルレースは行われなかった。予選シリーズを1フリートで行うというシステムは、そのまま踏襲された。
シリーズは微風から強風までバリエーションに富んだ風に恵まれ、全11レースが行われた(予選シリーズ4レース/決勝シリーズ7レース)。
優勝を争ったのは昨年の関西学院大学ヨット部主将を務めた市野直毅/吉見亮平(セラヴィ・セーリングチーム)、2007年大会以来3年ぶりに全日本470に復帰した松永鉄也/今村公彦(スリーボンド)、今年地元開催の千葉国体を終えたばかりの長橋誠/田淵靖浩(アルファウェーブ)の3チーム。いずれも勝てば全日本初優勝となる顔ぶれ。
この3チームが最終日を前に僅か7ポイント差という接戦で、最終レースでは首位の市野/吉見と2位の松永/今村が2点差を巡る激しい攻防を見せ、1点差で市野/吉見が逃げ切るという劇的な幕切れとなった。
女子選手権は10チームの女子チームがエントリーし、うち5チームがゴールドフリートに残った。予選シリーズでは若手の村濱沙耶/板倉広佳(グローバルコムサービス)が女子トップの7位で折り返す健闘を見せたが、決勝シリーズに入ってからは地力に勝るベテランの吉迫由香/大熊典子(ベネッセコーポレーション)が力の差を見せて逆転。8~10m/sの強風となった最終日の3レースで、女子チームとは思えない力強い走りを見せて男女総合5位に入り、女子選手権を制した。