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2011.11.18-23 at Gamagori

 11月18日~23日に「第40回全日本470級ヨット選手権大会 兼 第25回全日本女子470級ヨット選手権大会」が愛知県蒲郡市の海陽ヨットハーバー開催されました。今回の全日本470は例年の大会と異なり、470ナショナルチームがロンドン五輪代表選考となるISAFセーリングワールドに参加するために不参加。そのためブラジル・リオ五輪を狙う次世代の選手や、社会人、インカレで活動する学生選手が中心となりました。
 今大会の見どころは、昨年の西宮全日本で初優勝したものの惜しくもナショナルチームに僅差で入れなかった市野直毅が二連覇を達成するのか、それとも新勢力が台頭し優勝カップを奪うのか。ちなみに、過去39回の大会でチャンピオンの輝かしいタイトルを持つ者は、小松一憲が6回、関一人が5回、中村健次が4回など複数回優勝者がいますので、通算で17人しか存在しません。また、近藤/田畑、吉迫/大熊が不在の大会で、次世代の女子470を担う逸材が現れるのかももう一つの焦点といえるでしょう。
 11月20日の予選1日目、北西の風で定刻にて予告信号が掲揚され、レースが始まりました。1レース目から良い風に恵まれましたが、2レース目の途中にて6m/sから13m/s、MAX15m/sのブローが入るコンディションに吹き上がり、沈艇やトラブル艇が続出、19艇しかフィニッシュできませんでした。ディスマストや艇体放棄の艇も出て運営艇は救助に奔走、AP+H旗が掲揚され、一旦ハーバーに帰着。陸上待機するも風はますます強くなり14時前には、AP+A旗が掲揚され、この日のレースは2レースで終了しました。
 この風域になると経験値の高い市野/谷口(関西学院大学/SIMASEIKI)、土居/磯崎(日本経済大学の2年/1年コンビ)の力量が一段上回り、最終的にはダントツになります。また、波多江/畑山(日本経済大学の3年/1年コンビ)は女子チームながら並み居る男子を押しのけて初日4位と素晴らしい走りを見せてくれました。

 大会2日目は、初日と同様に昼過ぎには吹き上がる予想のため、運営陣はスタート予告信号時間を9:45から9:00に前倒して対処。第3レース、第4レースと順調にレースが行われましたが、第5レースの途中、11:30を超えたあたりから再び昨日の強風が吹き始め、このレースで、本日のレースは終了となりました。予選終了時点の成績は、1位市野/谷口(5点)、2位土居/磯崎(9点)、3位宮川/内野(10点)、4位今村/外薗(14点)、5位出道/立石(21点)、6位後藤/田中(24点)。
 午後からは艇庫でレセプションパーティーがおこなわれ、選手・運営ともに盛り上がりました。

 大会3日目、この日からゴールドフリート・シルバーフリートに分かれて決勝レースです。風は北西で3m/s~9m/sと強弱が激しく、ブローが入ると10メートル強の寒風が吹きつけますが、沈艇に困る事なくレース行えるコンディションです。冬本番さながらの厳しい寒さと強風の中、てきぱきとしたレース運営が際立ち、1日最大レース数の5レースが行われました。
 ゴールドフリートは上位10艇ほどのトップ艇団がフリートを大きく引き離し、風が上がれば上がるほどその差は広がるばかり。その中でも一段抜けている市野/谷口、土居/磯崎に優勝争いは絞られましたが、決勝第3レースの審問の結果により土居艇がマークタッチへの抗議で失格になったため、市野艇と土居艇との得点差は10点となり、最終日を前に市野/谷口が優位に立ちました。

 11月23日の最終日は朝から無風で、しばらく風待ち後、10時過ぎに北東から風が広がり出艇となりました。決勝6レース目、市野/谷口は今レガッタ初めての軽風のレースをスタートからフィニッシュまで危なげない横綱相撲でトップフィニッシュを飾り、最終レースを待たずして貫禄の優勝。市野選手は昨年に引き続き二連覇を達成しました。
 シルバーフリートでは、初日のディスマストのため、まさかのシルバーフリートとなった市川・石橋(早稲田大学)が7レース中6レースでトップを取り実力差を見せました。
 また、1艇ゴールドフリートに残り、早々に女子優勝を決めた波多江/畑山(日本経済大学)は、チーム初出場で初優勝。世界トップレベルの選手が名を連ねる歴代女子優勝チームに名前を刻みました。

 本大会のスタートでは、ここ最近では珍しく黒色旗を使用する事なくレースが行われました。スタートラインが低いために黒色旗が必要なかったのではなく、レース委員会のスタートライン風軸設定と長さが的確だった事と、上位の数艇がしっかりラインを把握していたからだと思われます。
 海上では、強風から軽風まで全日本選手権にふさわしい風が吹き、予選5レース、決勝7レースを消化することができました。また、久々に行われたレセプションでは、選手・運営スタッフとの交流が持てた素晴らしい大会となりました。
愛知県ヨット連盟、中部学生ヨット連盟、中部実業団ヨット連盟のスタッフの皆様の、大会運営の素晴らしさに感謝致します。
 来年の全日本470は、11月後半に香川県の高松ヨットハーバーで開催される予定です。


LinkIcon成績表

上位チームの顔ぶれ

優勝 市野直毅/谷口斉謙
3位 宮川英之/内野航太

2位 土居一斗/磯崎哲也
女子優勝 波多江慶/畑山絵里

GAMAGORI 2011

1位:市野直毅/谷口斉謙
3位:宮川英之/内野航太
女子1位:波多江慶/畑山絵里
今大会のスタートは、一度も黒色端を使用することなく、全レースが行われた
2012年の岐阜国体セーリング競技の会場は蒲郡。写真左端は岐阜県の西村祐司/大嶋龍介
艇庫で行われたレセプションパーティー。ビンゴの賞品に駆け寄る選手

2位:土居一斗/磯崎哲也
4位:今村亮/外薗潤平
女子2位:山口祥世/谷口柚香
女子スキッパーでは最高位となる8位に入った長崎県の大曲昭子/田口西
今大会も、最終日を除いて、冬の蒲郡らしい北西の強風が吹き荒れた
日本経大の三船監督(右)がBINGO! 司会はスナイプ協会理事の桑野さん(左)